「たまには真面目に」のコーナーがやってきました。(無理やり~)
先日、知り合いの人から
「女性から女性へ、何かできること」というタイトルのメールが送られてきました。
セックストレード、性労働者として働く女性へ
使用しない化粧品や、トイレタリー用品を寄付しようという内容でした。
気になったので色々リサーチしてみると、
娼婦として働く人たちを対象にしたセンターがあるというので
取材することに。
バンクーバーの一部のエリア・ダウンタウンイーストサイド(Hasting/Main)の辺りは
ホームレスやドラッグ中毒の人たちがたくさんいるのですが
夜になると、娼婦たちが道端で交渉する姿を見かけます。
ガイドブックには、立ち寄ってはいけない危険な地域として、
また地元の人もあまり立ち寄らない地域になっています。
そんな女性たちをサポートする「WISH Drop-in Center Society」。

新しいビルに移転しましたが、エリアはEast Hasting。
治安のいい場所ではありません。
このセンターは、土曜日を除く毎日18時から23時まで開放していて
性労働者の女性たちに、栄養士が管理する夜食が配られます。
シャワー室が備え付けられていて
自由にシャワーを浴びることができます。
また、週に3度、学習するクラスやクリニックなども解放。
このセンターの目的は、女性たちに
性労働をやめさせることではなく
女性たちの健康と安全を守る手助けをすること。
なぜなら
センターを訪れるほとんどの女性は家がない路上生活者。
約80人から140人の女性が毎日センターを訪れます。
部屋がある人でも、
信じられないほど不衛生な場所に住んでいるのだそうです。
寝る家がないから、センターが閉まった後は
夜の街に仕事をしにいく。
娼婦を買う人の中には、女性に対して暴力を振るったり
同意していないのにレイプしたりと危険な行動をする人も後を絶たない。
体中アザだらけの女性がセンターを訪れることも。
館長のKATEさんは、
センターに置かれているコンドームについて
「ここに来る女性たちは、病気などから身を守るためにコンドームを使いたいのに
女性の意思を無視して使用しない男性が多い。
これは暴力の一種だと思う」と話しています。
以前、オリンピック誘致の際に
娼婦が集まる娼館の合法化の話が市から出ました。
「女性が路上で危険な目にあわないように
すべての娼婦を1つの建物に集める」という名目で、
街から娼婦を一掃してしまうというのが目的だったようですが
同センターは全く別の団体で
約24年に渡って活動しています。
私も家にあるサンプルや使わない化粧品を持って
センターに行きましたが、使用してしまっているものでもいいのだそうです。

大きなシャンプーなどは、小分けにして女性たちに配るけど
家を持つ人が少ないので
ほとんどの女性が、センターでシャワーを浴び
寄付された化粧品を共同で使用します。
同館のリサーチでは
性労働者の約55%はファーストネーション(原住民)の女性たち。
全体の26%の女性はHIV感染者。
約80%の女性が精神的な病気や、ドラッグ、トラウマなども問題を抱えているとのこと。
性労働をやめさせるための施設ではなく
あくまでも、女性たちの健康と安心できる場所を提供することが
女性たちにとって重要だとKateさんは言います。
「社会では差別を受け、多くの問題を抱える彼女たちにとって、
性労働をやめるというのは簡単なことではない」
センターでは、相手のことを何も聞かないのがルール。
それを「ローバリア」と言うのだそうです。
差別されている人が多いので警戒心も強く
名前は、向こうから名乗れば名前で呼ぶけれど
センターを利用するからといって
言いたくないことは言わなくてもいい。
差別から解放されなければいけないという考えが
センターの基本概念になっています。
女性たちが安心してできる場を提供することが目的とはいえ、
金銭面の問題もあり、施設をずっと解放するわけにはいかないのが現状です。
土曜日のオープンと、24時まで開館することが
当面の目標なのだそうです。
この時期になると、女性たちから多くの用品がセンターに
届けられるといいます。

もうすぐクリスマス。
クリスマスプレゼントとして女性たちに
集められたトイレタリー製品が配られます。
今回はKateさんと話すことで
一部の性労働者として働く女性たちの現状、
自分の想像とは違う事実が明らかになりました。
そこには、ドラッグなどの話も絡んでくるので
一度では書ききれませんが、
浮浪者や麻薬中毒者などのたまり場となっている同地区の問題や
HIV感染を広めないためにと、注射針を配る政府の対応方法など
根底から多くの問題を改善していかなければ
解決しない問題が山済みです。
政府や市にも、詳しく聞いてみたいと思います。(大体がちゃんと答えてくれない)
それはまたの機会に。